滋賀弁護士会について

会長決議・声明

特定秘密保護法案の拙速な審議に抗議し、
本法案の成立に改めて反対する会長声明

本年11月26日、「特定秘密の保護に関する法律(案)」が、与党及び野党2党の修正協議の末、自由民主党、公明党、みんなの党の賛成多数(日本維新の会は欠席)により衆議院本会議で可決され、現在、参議院において審議中である。


当会は、本年1月17日に「秘密保全法制定に反対する会長声明」を、本年11月14日には「特定秘密保護法案に反対する会長声明」を、それぞれ発表するなどして、本法案が、特に、秘密指定により国民に秘匿できる事項を広範に認めるとともに、秘密指定の適正性につきチェックする仕組みを持たない点において、国民主権ないし議会制民主主義の根幹を揺るがす危険性を有するものであることを指摘し、その立法化に反対してきた。


そのような中、原案は与党と一部野党との協議により一部修正されたが、本法案の根本的な問題点は何ら改善されることなく、一部内容を後退させ、衆議院で可決された。

すなわち、「特定秘密の指定及びその解除の適正を確保するために必要な方策を検討」する旨の附則を加えたが、あくまで「検討」であり、指定の適正性をチェックする第三者機関の設置を義務付けてはいない。また、秘密指定が可能な範囲を列挙する別表から、「その他の重要な情報」との文言の幾つかを削除する等の修正が加えられたが、未だその範囲は広範かつ曖昧なままである。更に、秘密指定の有効期間の期限を原案の原則30年から60年に実質的に延長し、しかも、60年を超えても秘密指定を有効とする例外を広範に認め、政府が都合の悪い情報を永久に隠蔽することを可能とした。


本法案は、政府が本年9月に実施したパブリックコメントに寄せられた意見の約77パーセントが反対するものであった。それにも拘わらず、10月25日に国会に提出され、衆議院も、たった一回実施した11月25日の福島での地方公聴会における意見陳述人全員の反対ないし懸念する意見を一顧だにせず、翌日には採決をし、可決した。


今も、国会周辺で、或いは各地で、本法案の廃案ないし慎重審議を求める国民の活動が続いているが、そのような中、自由民主党の石破茂幹事長は、11月29日付の自身のブログに、議員会館の外で本法案に関して街宣活動を行う市民に対して、「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」との意見を掲載した。石破氏は、その後意見を訂正したが、本法案の成立を推進する最大与党の幹事長の認識が、主権者国民が選挙後もその意思を国政に届ける一方法である街宣活動と本法案別表四の「テロリズム」とを峻別しないものであることが明らかとなり、本法案のもつ危険性を改めて露呈した。


政府及び与党が、参議院においても拙速に本法案の採決を行う姿勢を見せているこの時期、当会は、衆議院における拙速な審議に抗議するとともに、改めて本法案の立法化に反対する意見を表明する。

2013(平成25)年12月5日

滋賀弁護士会
会長 甲津貴央