しがべん通信

破産に関する手続が変わります

借金に追われて返済が困難になった人が再度立ち直る機会を得るための裁判上の手続として、「破産手続」や「民事再生手続」があります。 今般、個人の破産手続等について、生活の再建や迅速・公正な財産の清算を図るため、破産手続等が全面的に改正されました(2005年1月1日施行)。 個人の破産手続等における主要な改正点は次のとおりです。

破産した人が自ら管理処分し得る財産(自由財産)の範囲の拡張

破産した人の生活再建のため、自由財産となる金銭の範囲が標準的な世帯の必要生計費の3か月分(現金99万円)に拡張されました。 従って、破産しても金99万円の範囲で現金を自由財産として手元に確保することができます。

また、金銭以外の財産(例えば自動車や保険の解約返戻金)についても、合計99万円を上限として自由財産として手元に確保できる場合があります。

免責手続における実行性や公正さの確保など

破産した人の生活の維持を図るため、免責手続中は破産した人の財産に対する強制執行等が禁止されました。 従前は強硬な債権者による給料の差押などが免責決定の確定まで止まらないことがありましたが、今後は安心して生活の維持に努めることができます。

他方、生命侵害等による不法行為債権、養育費債権が免責されない債権(非免責債権)に追加されましたので、同債権については免責許可の決定が確定しても依然として支払義務が残ります。

なお、免責手続とは関係ありませんが、勤めていた会社が破産した場合、破産手続開始前3か月間の給料債権等が財団債権となりますので、上記債権については他の破産債権に先立って優先的に支払を受けることができるようになりました。

民事再生手続における無担保債務総額の引き上げ

破産法の改正に伴い、個人の民事再生手続の申立ができる無担保債務の総額の上限が3000万円から5000万円に引き上げられました。 これにより、民事再生を利用できる余地が広がりました。

返済額は、(1)無担保債務の総額が3000万円以下の場合、借金等の合計額の5分の1(但し100万円以上300万円以下の範囲内)、(2)総額が3000万円を超え5000万円以下の場合、借金等の合計額の10分の1以上となります。